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佐治晴夫先生の講演

2012年06月10日
6月8日、9日の両日高野山大学で密教研究会の学術大会が開かれた。

初日の午後には佐治晴夫先生の講演「時間と心の万華鏡―最新宇宙論の視座から人間を考える―」があった。JAXAの月周回衛星「かぐや」から見た「地球の出」の映像で始まったこの講演会は、実に感銘深いものであった。ちなみに「かぐや」は、この映像を撮った直後の2009年6月11日(今からちょうど3年前)に月面に制御落下し、その生涯を終えている。最後の最後に「かぐや」に「母なる地球」の姿を見せてやりたい、という配慮が働いたのだそうな。「はやぶさ」と同じで、これだけで「ぐすん」とくる話ではないか。

さて、佐治先生はもとより高名な科学者である。

先生は、昨年のダライ・ラマ法王14世ご来訪の際、高野山講演最終日午前中の「科学者との対話」のセッションに、茂木健一郎先生、ナターリア・ポリュリャーフ先生といっしょに出席された。

その時、私は、控室で先生をお迎えした時から、その飾らないお人柄と何をお尋ねしても即座に「次元の異なる」答えを返されることに、強い印象を受けた。

だがこの時は、何といっても主役は法王様であるし、間に通訳が入る3人の対談者のおひとりということもあって、先生のご発言時間は長くなかった。そのことが私には心残りだった。

そこで密教研究会の理事会で次回の学術大会の講演を誰に依頼するかが議題に上ったとき、迷わず「佐治先生にお願いしては」と発言した。それが実現したわけで、私もちょっぴり鼻が高い。むろん佐治先生がお引き受けくださったのは、啓蒙活動に熱心な先生の御意思と高野山という場のもつ力によってである。

講演の前に、応接室でお昼をいただきながら先生のお話を拝聴した。私一人に与えられたとても贅沢な時間だった。
高野山大学の力