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スクープハンターとトンネル

2012年06月05日
昨夕学生によるバーベキューパーティーというのがあった。イヌイさんを誘って顔を出した。その結果は、「もう酒は飲むまい」。

さて、近頃よく見るテレビ番組にNHKの「タイムスクープハンター」がある。なんでもシーズン4に入っているそうで、それなりに人気があるのだろう。

この番組、タイムスクープ社という未来の会社が、過去にジャーナリストを派遣して、日本のいろいろな時代の庶民の営みを取材し、アーカイブする、という趣向で、毎回、取材中になにかしら事件―辻斬りが番屋で暴れるとか、女相撲の興行がすんでのところで中止になるとか、お氷さまが山賊に襲われるとか―が起るのが「お約束」になっている。

先週は江戸の古紙のリサイクル業の話で、とくにおもしろいというほどでもなかったが、後味は悪くなかった。日本人は、昔から知恵と勇気で、決して楽じゃない人生をたくましく生き抜いてきた、というのが番組全体のメッセージだと思う。

特徴は、知った顔がでないということである。これには二つの意味がある。一つは、知った役者が出ないということ。こういうと出演者に失礼のようだが、とにかく、要潤と杏以外、どこかで見たという顔が一つも出てこない。これはこの番組にとってはとても大事なことで、そのためにドキュメンタリーのようなリアリティが生まれている。
もう一つは、歴史上の著名な人物が登場しないということ。あくまで名もなき庶民の生活を取り上げるというコンセプトが一貫している。

これはつまり、昔NHKで放映していた「タイムトンネル」というアメリカのテレビシリーズの逆を行っているのですね。というと特定の年代トークになって恐縮だが、覚えている人も多いはず。こちらの番組の設定は、砂漠の地下で密かに開発中のタイムトンネルというタイムマシンに青年科学者二人が飲み込まれ、毎回いろいろな時代に飛ばされるというもの。未来にも行くが、過去の方が圧倒的におもしろかった。なにしろ、彼らは、陥落寸前のアラモの砦でデイビー・クロケット(?)に会ったり、恐怖政治下のパリで若きナポレオンとすれ違ったり、トロイでヘレンを見たり、となぜか必ず有名な事件に立ち会い、有名な人物に会ってしまうのである。

そこへゆくと「タイムスクープ」は地味な話ばかりだが、実験的な要素もあり、制作者サイドが歴史民俗学的なお勉強をしていることも伝わってくる。これからも著名人を出さずにがんばってもらいたい。と、ここまで書いて今日が放送日であることを思い出した。まあ、多分、おそらくきっと見る。






ある大学教員の日常茶飯