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山籠もり4日目―酒を断つ

2012年05月02日
徐々に調子が上がってきたような気がする。ともかく、これだけまとめて時間が取れるのは久しぶりだ。期限が迫っているから苦しいことは苦しいが、贅沢と言えば、これほどの贅沢もまたない。

仕事の能率を上げるためにお酒を止めた。おかげで夜までやってもさほど疲れない。最近、酒を飲むと神経の接続がおかしくなるのか、思ってもいないことを口走ったり、翌朝心身が絶不調に陥り、かけなくてもよい電話をかけたりしていた。これがもう少し進むと、私も、熊楠のように乱暴狼藉を働くかもしれない。

1910年8月21日、熊楠は田辺中学で開かれていた紀伊教育会主催の夏期講習会に酒に酔って乱入し、菌類標本が入った信玄袋を投げつけるなどしたため、翌日から警察に拘留された。神社合祀反対運動にまい進する中で起こした直接行動であった。彼は17日間の拘留のあと、結局免訴となって釈放されるが、その理由は次のようなものであった。

「当時飲酒ノ為メ中酒症ニ罹リ精神状態ニ障礙ヲ来シ居リタルモノニシテ刑法上責任能力ヲ有セシモノト認ムベキ証憑充分ナラズ」(『南方熊楠大事典』p.285、「集会乱入と拘留」、田村義也氏執筆)

酒を飲んで「中酒症」にかかっていたため責任能力があったかどうかはっきりしない、というのである。法律まで飲酒に寛容な時代だったのだろうか。今ではとてもこうはゆくまい。

考えてみれば、私もお勉強がちゃんとできるのは、せいぜいあと10年である。詩人でもないので、酔っぱらってばかりいたら仕事にならない。頭がクリヤーな時間をできるだけ多く持とうと思う。

昨夜メールで『南方熊楠大事典』についての覚書を送付した。6日の合評会に出られる見込みがいよいよなくなったからである。残念至極だが、これを出席に替えることにしたい。

今日は小雨である。室内にばかりいるとはいえ、やはりからっと晴れあがってくれた方が気分はいい。



ある大学教員の日常茶飯