09月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11月

謁見

2012年04月05日
ダライ・ラマ法王への拝謁がかなったのは、20日の朝であった。

実は私は前夜一睡もできなかった。法王にお会いする緊張のあまり、といえば殊勝だが、そういうわけではなく、まったく関係のない些事が気になって妙に寝付かれなかったのである。そのおかげでパレスに参内した時の心身の調子はよくなかった。しかし、法王のお姿を一目見て元気と喜びがわいてきた。

チベット語でトンドルマ(mthong grol ma)という言葉がある。見ただけで人を解脱させるもの、という意味で、霊験あらたかな仏像や仏塔の呼称に使われるが、ダライ・ラマ法王その人がまさにトンドルマである。これで解脱できないのは、まだこちらの徳が少ないからにすぎない。

会見は1時間にも及んだ。ダラムサラ訪問の一番の目的は、去年の高野山ご来訪のお礼を述べることだが、今後のチベット仏教と真言密教の交流についても話し合われた。

最後に法王様から、一行の一人一人に釈迦牟尼の仏像が授けられた。

日本から持参したのは真言八祖の肖像を一幅にまとめたものだった。これは堺・深井の大野寺にあるものをイヌイさんの手配で複製したものである。「これはナーガールジュナ(龍樹)、これはナーガボーディ(龍智)」と説明すると、法王はいちいちうなづかれ、「ナーガールジュナ、ナーガボーディはチベット仏教でも非常に大切な祖師方です」とおっしゃられた。

法王の御見送りを受けてパレスをあとにし、ツクラカンを一巡りした後、ホテルに戻った。










フィールドワークの記録