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立ちあがる気力

2012年01月27日
このところ寒くて、目覚めてもすぐに寝床から起き上がる気力がわかない。
スマホが来て以来、メールは寝床でも見られるようになったので、無理して研究室に出かけてゆく動機が弱くなった。

と思っていたら、今朝方、枕元でスマホが冷たくなっていた。電源を入れても、うんともすんとも言わない。電池が切れたのである。またか。

最初にこれをやられた時には、もう故障か?と慌ててお店に駆け込んだ。応対に出た店員はこう言った。

 このスマホは立ち上がる気力を失くしているんですね。

要するに立ち上がるだけの元気、いや、電気がない、ということのようだが、面白いことを言うものである。

さて、昨日の続きである。

1月7日(土)、今年から始まった「十二支考」輪読会に出席するため田辺の南方熊楠顕彰館に行った。

今年は辰年で、お題は「田原藤太竜宮入りの譚」である。せっかくの機会だから前もって読んでおくことにしたが、読み終わったのは、田辺に向かうオーシャンアロー号の車内でだった。決して読みやすいものではない。ついつい眠くなるので、線を引きながら読んだ。

輪読会では松居先生が例によってきわめて明快に解説してくれた。お年玉として配られた「引用洋書一覧」もかなりの労作で、熊楠が若いころロンドンの図書館に通って作った抜き書きが「十二支考」を執筆する際にずいぶん活かされたということが、目に見える形で提示された。

お年玉といえば、今龍谷大学に来ているブリジ・タンカ先生(デリー大学)が飛び入りで話をしてくれたのもサプライズなお年玉であった。

さて、「博引旁証」は熊楠の文章を論ずる際の枕詞だが、やる気と時間と資料があれば、あのくらいの引用書目を並べ立てることは決して不可能ではないという気がする。むしろ問題は、そうして得た情報をどう管理し、組み立て、立論するかということの方である。そこで登場するのが、「腹稿」と呼ばれる新聞紙大の大判用紙に書かれたメモである。情報のユニット同士を線でつないだおそろしく饒舌なものだが、じっと見ていると、一種の美的感興がわいてくる。完成した文章と「腹稿」とを丹念に照らし合わせてゆけば、彼の発想がトレースできるかもしれない。

この日は例によって田辺のホテルに一泊し、翌日午前中は顕彰館で過ごし、お昼をC本先生と一緒に取ってから、帰りの列車に乗った。

ある大学教員の日常茶飯