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ダライ・ラマ法王、青年僧と語る(2)

2011年11月09日
最初に藤田学長の挨拶があった。高野山大学に戻っての第一声である。
続いて私の出番。法王の側近に「(法王様の入場まで)あと1分」と告げて、マイクの前に立つ。聴衆はダライ・ラマ法王と松長管長の登場を今か今かと待っている。こんな時、司会がだらだらしゃべるべきではない。

「高野山大学の奥山直司です。本日このセッションの司会をすることになりました。大役で、大変緊張しておりますが、みなさかのご協力をえて、なんとか無事に務めたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
それでは早速ダライ・ラマ法王14世猊下と松長有慶高野山真言宗管長猊下をお迎えしたいと思います。どうかみなさん、ご起立の上、拍手でお迎えください」

両猊下が手に手を取って入場された。この講堂のステージのど真ん中には弘法大師の肖像画がかけられている。その真下にダライ・ラマ法王と松長管長が並んで座られた。すごい構図である。

スタッフの長い間の労苦も、つまるところ、このトリアデを得るためにあったのだという気持ちになる。

「本日のこの「ダライ・ラマ法王、青年僧と語る」という企画は、未来を担う若手僧侶たちに対して、両猊下より、ご助言を賜りたいという願いから実現したものです。管長猊下と法王猊下が青年僧からの質問に答えてくださいます。たいへん貴重な機会ですので、時間の許す限り、積極的な参加をお願いいたします。スクリーンが下がりますので、お灯明を落とします」

ここまでは予定通り。だが次にちょっとしたハプニングが待っていた。

弘法大師の肖像の前に灯された灯明を落としにくるはずの川崎さんが来ないのである。あれれ、どうしたの。映像との関係で幕が下ろせなかったらしい。これは打ち合わせ不足に起因するもので、結局最後までそのままだったが、むしろそのままでよかったと今は思っている。

そのほかにも細かいミスはいくつかあった。それを救ってくれたのは、ほかならぬ法王様の次のような言葉だった。

「私は世界のあちらこちらで講演しますが、一つの楽しみは、係りの人々が自分が何をしてよいのか分からず右往左往するのを見ることです」


高野山大学の力