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パンフレットにGO

2011年10月19日
いよいよダライ・ラマ法王ウィークが迫ってきた。大阪舞洲アリーナの特別講演は、A席が追加販売されることになった。買いそびれていた人はローソンチケットで。

大阪特別講演のパンフレットの最終校正を終えてGoサインを出す。初校を見たときには、一瞬なんだこりゃ、と思ったが、1回の校正で見違えるようになった。ウイング(和歌山市)はなかなかいい感覚をしている。納品されたらお目にかけたいが、ここにあしらわれている文字は、ランジャ文字とチベット文字による「オン、マニペーメ、フン」である。これは六字大明呪(六字真言)と呼ばれるもので、ダライ・ラマ法王の本地と考えられている四臂観音の真言である。テレビでよく見るチベットの巡礼が五体投地をしながらぶつぶつ唱えているのははほとんどがこの真言だ。

チベットは観音菩薩の浄土なのである。

原板は私が東チベットのデルゲ(徳格)のパルカン(印経院)で入手したものを使ってもらった。デルゲのパルカンはチベットで最も有名な経典印刷所で、大量の版木を貯蔵しており、今も経典を刷り続けている。高野山大学図書館が所蔵するチベット大蔵経もここで刷られたデルゲ版である。そのうちカンギュル(仏説部)は河口慧海師の口利きで購入することができた。テンギュル(論疏部)は、高野山大学の卒業生で戦前北京に留学した吉井芳純師が雍和宮出入のチベット商人に注文し、苦心の末に購入に成功したものである。

また多田等観先生によって請来され、『東北大学蔵 西蔵大蔵経總目録』(いわゆるTohoku Catalogue)が編集されたのもこのデルゲ版であった。東北大学インド学研究室のチベット学の伝統はここから始まる。そのような実績のおかげで、のちには河口慧海が持ち帰った造形関係資料(「河口コレクション」)が東北大学に入ることになった。このコレクションの図録に関わったことが、私の勉強のターニングポイントの一つになった。

こう考えてくると、今回のイベントはいろいろなことの結節点になりそうな予感がしてくる。大学にとってだけでなく、私個人にとっても大切な行事になりそうだ。





研究ノート
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