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秋晴れの日

2011年09月07日
台風12号は大きな爪痕を残して去り、今日はさわやかな秋晴れとなった。

私は中国やインドの山岳地帯や乾燥地帯から帰るたびに、日本ほど自然が豊かで、変化に富んで美しく、しかも優しい国はないと思ってきた。だが今年は、その豊かさ、美しさが、圧倒的な自然の暴威と裏腹のものであることが痛感される年になった。

橋本から高野山に上る道は、シリグリの先からダージリンに登る道によく似ている。同じ照葉樹林帯に属するからだろうか。高野山の周囲の針葉樹林は人間が育てたものだから、自然に任せれば、植生はますます似てくるに違いない。

2001年の9月半ばにダージリンの隣りのシッキムを訪れた時のこと。カルカッタからバグドグラ空港に飛び、専用車の出迎えを受けて、ティスタ渓谷の道をさかのぼってゆくと、あちらこちらで小さな滝が道路に流れ落ちており、まるで山全体から水が噴き出しているようだった。

この豊かな水が深い森を育てる。だが同時にシッキムは土砂崩れの本場でもある。

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*ガントク(シッキムの州都)の北方にある大規模な土砂崩れの跡。

その後、アルナーチャル・プラデーシュでも大規模な土砂崩れの現場を何度も通った。去年、ヒマーチャル・プラデーシュに行った時も雨に降られてひやりとした。それより前、青海省のツァイダム盆地の都蘭の近くで、車が川の中で動けなくなり、水が車内に流れ込んできて、あわてて脱出、ということもあった。
だから今回の台風による水害の映像は、初めて見るような気がしなかった。自分でも知らない間に結構危ない橋を渡ってきたのかもしれない。

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*西シッキムのタシディン僧院。

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*タシディン僧院の境内。真言を刻んだマニ石の垣根の前にコスモスが咲き競っている。シッキムの秋はコスモスが咲き、ススキの穂が風になびいて、日本の秋のような風情である。












ある大学教員の日常茶飯