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「福島五十死士」

2011年03月23日
毎日、朝、昼、晩とホテルの部屋のテレビでBBC、CNN、アルジャジーラが報ずる震災関係のニュースをチェックしていた。

各報道機関の論調は、地震と津波については文句なしに同情的であった。BBCに寄せられた視聴者からのメールの一つ:うちの小さな男の子が、ツナミのニュースを見て、急に靴を履かせてくれと言い出した。どうして、と聞いたら、「ボクがツナミを逮捕する!」

しかし原発の事故については、ああならないようにわれわれ(欧米各国)も気をつけようといったニュアンスが漂っていた。

最初の爆発の映像をどこで初めて見たのかは思い出せない。しかし、成田に行く電車の中で、西洋人同士がしきりに「リアクター」がどうのこうのと言っているのを小耳に挟んで、ああっ、もしかして、とは思っていた。

あの音のない映像では、軽く「ポンッ」とはじけた感じだが、かえってそれが不気味で、何か日本人の大切なものが吹き飛んでしまったという気がした。

帰途、航空会社の都合でスリランカ航空ではなく、バンコク、香港経由のキャセイ・パシフィックに乗った。機内で香港の新聞を開くと、「福島五十死士」の文字が。何でも、福島第1原発では、作業員50人が死の危険も顧みずに復旧作業に当たっているという。そういえば、ナンダセーナさんもそんなことを言っていたな。それが自分の身を犠牲にして他のため、国のために尽くす英雄的行為として讃えられているのだ。確かに、そういう巡り合わせになったら、覚悟しなければならない。身を捨てても守らなければならないものはあるものだ、と思った。

ところが帰ってみると、日本ではそういう角度の報道がないのである。少なくともここ二日ほどの間には見つけられなかった。どうなっているのか。知っている人は教えてもらいたい。

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*日本の震災に関する新聞記事を示すスリーウィーラー(トゥクトゥク)の運転手(コロンボ南方のパーナドゥラにて)。新聞のイラストは、ツナミの中に沈みかけている日の丸。
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