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誤植

2011年02月06日
大蔵出版から『新国訳大蔵経 密教部4』を重版するから、担当部分に誤植や訂正があったら知らせて欲しいという連絡がきた。
この巻で私が担当したのは『十八会指帰(じゅうはってしいき)』で、2004年の出版当初から気になって仕方がない誤植が一つある。それは著者校の段階では正しく「呬」となっていたのに、出版されてみたらそれが「嗢」に変わっていたという何とも奇妙な誤植で、一時は担当者に抗議しようと思ったが、忙しくしているうちに有耶無耶になってしまった。それが今回ようやく訂正できるというわけだ。

『十八会指帰』は、小品だが真言宗ではすこぶる重要な文献である。今見ると、注はもう少し何とかした方がよかったと思うが、漢文書き下しの方は、自分で言うのも何だが、なかなかの仕事である。

その原稿を書く際に、高野山大学の図書館に蔵されている江戸期の版本がとても役に立った。なるほどこの漢文はこう読むのか!と目から鱗が落ちるような思いがしたことも一度や二度ではない。1200年、御山に蓄積されてきた伝統の力は伊達ではない。そのほんのひとかけらを私もこの時分けてもらったというわけだ。
高野山大学の力