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2010年10月10日
9月18日
夜明け前に雨音で目が覚める。しまった、雨だ。今夏のラダックの集中豪雨のことは情報としては知っていたが、まさか自分たちが雨に降られるとは考えていなかった。「峠の閉鎖」の文字が頭の中で大きくなる。僥倖に支えられてここまできたが、これからは何が起こるか分らない。ベッドの中でじっと夜明けが来るのを待つ。耳を澄ましていると、雨音は強まったり弱まったりしながらもだらだらと続いて止むことがない。

朝一番にヴィピンさんに見通しを聞くと、今朝例の怠慢なマネージャーがカジャから戻ってきたから、一応まだ道路は通れるが、10時にはここを出た方がいいという。
この言葉に安心し、朝食後、ちょっと洞窟を訪ねてから、昨日見損なったタボ寺の諸堂の見学に出掛ける。
昨日ツクラカン内で説明してくれたツェリンさんが待っていて、雨の中、諸堂を案内してくれる。いつのまにか、髭を蓄えた若者が一人加わっている。聞いてみると、彼は日本人で、日本を出てから一年半、アジア諸国を放浪しているという。タボまでは民間のバスを乗り継いできた。まあ、こういう人はとりたたて予定などないだろうから、峠が閉鎖になっても、道が崩れても、復旧するまで待てばよいのである。ほおっておいても大丈夫だ。

一通り見るべきものを見てから、再びツクラカンに戻る。そうこうしているうちに時間はどんどん過ぎてゆくが、もうなるようになるしかない。それよりも、生きているうちに再び会えるかどうか分らないツクラカンの仏たちをもう一度拝し、ねんごろに別れを告げなければならない。こういう時、一度見たものは二度と忘れず、必要に応じて鮮明に想い出すことができたら、とつくづく思う。思い立って、後室を囲む回廊の壁に描かれた菩薩像の一つを簡単にスケッチする。図像の特徴を頭に叩き込むには、この方法が写真より有効かもしれない。

結局、タボ寺の門前の食堂で昼食を取って、さあ、カジャに向かって出発となったのは午後1時だった。

いつ崩れても2
*いつ崩れても不思議はない崖が延々と続いている。
小型がはまった
*動けなくなった小型車を救出する。
これが一番
*今度のはちょっと骨だ。両側に車が詰まり、男たちが降りてきて力を合わせてまず泥にはまった小型トラックを救出し、そのあと道普請して、他の車が通れるようにする。うちのスタッフが率先して働いて、とても頼もしかったが、その間にも山から水がどんどん流れてきて道路を削ってゆく。
ちょっと一息
*ここまでくれば何とかなったかな?等高線に沿って下が雨、上が雪になったのがはっきりわかる。
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*インドの奥地というより、トルコのカッパドキアのような風景がしばらく続く。
八大霊塔
*夕方ようやくカジャに到着。釈迦牟尼の八つの事績を象徴する八大霊塔が迎えてくれた。
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*カジャのマーケット。外人観光客が目立つ。
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*ヤクに乗って遊ぶ子供たち。珍しい光景だ。

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