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オフの日

2010年05月03日
昨日はこの連休で唯一、オフらしい日だった。

所用で大阪に出たついでに、梅田と難波の人ごみの中をうろうろした。

まず梅田の大型書店に入ったのは、『高山寺 南方熊楠書翰』の売れ行きが気になってのことである。民俗学のコーナーで三冊発見。

「ええか、お前たち、いつまでもここにおらんと、はよ誰かに買うてもらい」

と言い聞かせて店を出る。

それから無数の飲食店のひしめく狭い通りを名画座方面に流れてゆく。ちょっとでもよさそうなのをやっていたら見ようという算段だったが、何と名画座はトーホーの別館に変わっていた。
この歳で「タイタンの戦い」でもないので、御堂筋線で難波に移動。
自由軒の前を通りかかる。ひさしぶりで織田作好みの名物カレーも悪くないが、あいにくお腹が減っていない。ふと見ると、敷島シネポップで「黒澤明 生誕100周年記念 29作品一挙上映!」をやっているではないか。

今日難波周辺でやっている他のどの映画を見るより、黒澤を一本見た方がいいに決まっている。

ちょうど「天国と地獄」が終わろうとしており、次の上映は「椿三十郎」だ。即決して入り、1時間半にわたって楽しんだ。

「椿三十郎」といえば、最後の三船と仲代の決闘シーンである。ノーカットでこんなシーンがよく撮れたものだと感心する。血はあんな風には飛び散らない、という批判は公開以来のもののようだが、なに、構うものか。これはあくまで娯楽作品なのだ。

三十郎が人を斬りすぎるきらいもあるが、公開当時は「これぞ黒澤」という感じだったのだろう。それから全編に漂うユーモア。三十郎と若侍たちとの間には一種の教育があるのだが、それがちっともいやみたらしくない。殺伐の度合いの強い「用心棒」より、私はこちらの方が好きである。そして、いかにも「芸術」といった構えの「影武者」や「乱」よりも。





ある大学教員の日常茶飯