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タイトルの付け方

2009年12月05日
K林「ではタイトルはどうしましょう」
私「内容的には『河口慧海とその時代』などというのも考えられますが、まるで『漱石とその時代』のパクリみたいですし、『評伝 河口慧海』のつもりでやってきましたから、それでいいのですが、最近田辺聖子の『道頓堀の雨に別れて以来なり』が文庫になりましたよね。こういう長いタイトルで行くのも悪くない。
『雲と水との旅をするなり―評伝・河口慧海』なんていうのもありかなと思うのですが」
K林・Y本「なるほど、そうきましたか・・・」

編集者はこういうとき、内心だめだと思っても、すぐにはそう決めつけない。だが案の定といおうか、結局この案はぼつになり、もとの『評伝 河口慧海』で行くことに決定した。
6年以上前の話である。

考えてみれば、これが自然で、こうしてよかったと思う。「雲と水」じゃあ何の本か分からない。
実はその時、「ヒマラヤの光」というのも考えたのだが、これは次回作の章の名前に使うことにした。
そのイメージは、シッキムで見たカンチェンジュンガの水晶のような峰々から天空に発せられている崇高な光だ。

ところで、今回一緒に発売された中公文庫の仲間の中で一番面白いタイトルは、何といっても『バングラデシュで玉の輿』だ。このにぎにぎしさ、意外性は『ガンジス河でバタフライ』にも匹敵する。私もいつかこの位おもしろいタイトルで本を書いてやろうと考えている。

これに比べると、拙著はまじめで地味だ。
がんばれ、『評伝 河口慧海』!

研究ノート