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鉄鎖の吊り橋 タワンへの旅(7)

2009年10月15日
翌日9時、M野さんと車二台を連ねて、チャクサムに向かった。チャクサムとは鉄の橋の意である。そこにはタントンギェルポが架けた吊り橋が残っているという。これは確かめる価値がありそうだ。タントンギェルポはチベットの文化英雄の一人で、あちらこちらに鉄鎖の橋を架けて回ったことで知られている。彼が架けたという鉄鎖の橋とはどんなものか一度見ておきたかった。
 出発して一時間後に現場に着いた。大きな鎖を張り渡した上に竹を編んだものが乗せてある。確かに古いものだが、彼の年代である15-6世紀までさかのぼるものとは思えなかった。しかしたとえばヤルンツァンポのチュシュル付近にも架けられていたという橋はなるほどこういうものだったのだろうと納得はいった。

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他のメンバーは大喜びで橋を渡ったが、私は自重した。高所恐怖症であることを思い出したからだ。

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*6世の母の実家の仏間。

M野さんとはチャクサムの近くのキトゥピ村で別れ、私はベカル村にタンペードンメという高僧が生まれたポウドゥン家を訪ねた。その後、そこの家の息子に案内されてダライ・ラマ6世の母親の実家を訪ねた。両家は300メートルも離れていない。人間の運命の不思議さを感じた。

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*霧の中で暮らす少女たち

タワンに戻って昼食を取った後、尼寺に向かった。タワン周辺には尼寺が三つあるが、これはメイン・ゴンパの向かいの山の中腹に見えているものだ。自動車道路から冷たい雨の降る中、500mも山道を歩いてようやく寺にたどりつく。

写真の三人の少女は、5歳、10歳、15歳。こんな寂しい、年中霧に包まれているような寺での彼女たちの生活が思いやられた。

フィールドワークの記録