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南方熊楠 読み合わせ

2008年05月12日
 近頃、K田君と南方熊楠・土宜法龍(どぎ・ほうりゅう)往復書簡の読み合わせを進めている。以下はそのひとコマ。

私「然レ共若シ答ヘテ云ハバ、小生ハ今日現在ニテ自利ヲ他シ、か。ん?この『他シ』って何だ?どう読むんだ?」
K田「はて・・・・」
私「原本はやっぱり『他シ』か?」
K田「そうですね。『赤本』はどうなってます?」
私「ええと・・・、うん、同じだねえ。ちょっと写真見せて」
K田「はい」
私「(しばらく写真を凝視した後、にんまりして)K田君、ちがうよ!『自利ヲ他シ』なんかであるものか。『ヲ』じゃなくて、この字は『々』だ。ここは『自利々他シ』、つまり『自利利他(じりりた)シ』だよ!」
K田「あ、ホントですねえ」
私「やったな、K田君!ついに『赤本』を超えたぞ。一ヶ所だけだが」
K田「(サメザメと泣いて)おめでとうございます。僕も苦労した甲斐がありました」

神は細部に宿りたもう。しかし、それにしても、こんなことで感激している人間は、日本中、いや世界中探しても、われわれだけであろう。
こうして高野の夜はしんしんと更けてゆく。
研究ノート