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ホセイン氏の論文

2009年05月08日
 『高野山大学密教文化研究所紀要』第22号ができてきた。

 私はこの号にモシャラフ・ホセイン氏の論文を翻訳・解説して載せている。
 題して「ジャガッダラで発見された五祠堂型寺院の最古の遺構」。

 これはバングラデシュ北部、ヴァレンドラ地方にあるジャガッダラ遺跡のラージバリ(王宮殿)と呼ばれているマウンドの発掘報告で、短文だが貴重な情報を含んでいる。

 というのも、ここがジャガッダラ大僧院の跡と考えられているからである。 ジャガッダラ大僧院は、インド仏教最後の砦の一つである。

 1203年にイスラーム教徒の攻撃で滅びたヴィクラマシーラ大僧院の最後の僧院長であったカーシミーラマハーパンディタ(カシミールの大学者)・シャーキャシュリーバドラが、チベットに行く前に避難していたのもここだった。


 モシャラフ氏はダッカにあるバングラデシュ考古局の次長を務めるベテランの考古学者である。2年前、私は、安藤さんとバングラデシュに行った際、この人の案内で各地の遺跡を巡った。学究肌の、とても謙虚な人物で、多くの著作がある。
私は彼の業績を日本に紹介したいと念じてきた。今回、その一端が果たせたことが嬉しい。彼も喜んでくれるだろう。


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このマウンドは東西105m、南北85mで、そこから内庭の四隅に四つの祠堂を持つ方形プランの寺院の遺構が発掘されている。写真は、本堂跡。彫刻が施された石柱などがばらばらの状態で出土している。ここから発掘されたターラー菩薩の立像は、今はパハルプル博物館に展示されている。








研究ノート