逃げていい
2021年02月26日
2.26
85年後の今日も、高野は雪だ。
午後、Cさんが湯に入れた白玉団子を持ってきてくれた。今日は春節から15日目の元宵(げんしょう)節。この日に食べるのがこの団子で、その名も「元宵」というらしい。おいしく頂いて、大分癒された。
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この前の日曜日の昼下がり、テレビから「嵐」の持ち歌である「カイト」が流れ出した。なにげなく聞いていた僕は、ある一節にはっとした。
父は言った「逃げていい」と。
「逃げていい」とはどういうことか。昭和の父ならば、息子にきっとこう言うに違いない。「逃げるな。逃げないで、嵐に立ち向かえ」と。それが父性というものだと思ってきた。しかし、平成の父は、そして多分令和の父も、「逃げていい」というのかもしれない。それはそれでひとつの「成熟」ではある。逃げていい。逃げていいのだ。
ここまで考えた時、おかしな話だが、急に胸がいっぱいになって、思わず涙声になった。最近の僕はものに感じやすくなっている。