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「水ほどうまいものはない」

2020年03月20日
3月19日(木)
ここ二三年、今頃の季節になると喉の調子が悪くなり、声がガラガラになる。ついに花粉症が出てきたのだろう。ところが、今春はこの症状がほとんど出ない。コロナに備えたマスクと手洗いが効いているようだ。それにしても、これだけ頻繁に手を洗うのは我ながら珍しい。スリランカやバングラデシュに行った時には、三度の食事の前と後に石鹸をつけてごしごし洗ったが、それはごく短期間の話である。

3月20日(金)
「水ほどうまいものはない」というのが、高村光太郎の伝える慧海のことばである。早くこういう心境になりたいものである。
光太郎の慧海との繋がりは、父光雲の代からのもので、光雲は工房で頒布用の作品を量産して慧海の資金調達を助けていた。そうして作られた釈迦牟尼仏や大黒天の像が各地に残っている。
光太郎は、父親がしたようなやり方で慧海に協力することはなかったが、慧海の首と裸体坐禅像を制作した。それは彼が前々から慧海の風貌に創作意欲をそそられていたからである。光太郎は特に首を制作する過程で、モデルの慧海と随分話をした。その一部をエッセイに書き、いくつか他に見られない、おもしろい情報を伝えている。つまり、慧海に関するかぎり、光雲は仏像を残し、光太郎は文章を残したのである。
慧海の首と坐禅像は、石膏原型のまま光太郎のアトリエに保管されていたが、昭和20年の空襲でアトリエが全焼した際に他の作品と共に失われた。



ある大学教員の日常茶飯 | トラックバック(0)