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ケサル王叙事詩

2019年06月01日

思い立って、十三のシアターセブンに大谷寿一監督の「チベット・ケサル大王伝 最後の語り部たち」を見に行った。大谷さんには去年、東洋大学のシンポジウムの会場でお目にかかっている。シアターセブンは、客席が20席ぐらいしかないミニシアターであった。


ケサルはチベットの伝説的英雄で、彼の武勲詩は世界最長といわれている。映画は、その物語を伝える「語り部(ドゥンケン)」たちを青海省のジトゥ、ジェクンド、タルナに追ったもので、長年にわたる取材の成果が顕れた興味深いものであった。おもしろいのは、ドゥンケンの中でも「神授型」と呼ばれる、夢見をきっかけに、神憑りのようになって「ケサル」を語り出した人々である。彼らの語りはまさに圧倒的だ。

近年草原に暮らす人々の生活環境が変化するにつれて、この型のドゥンケンは減っているという。残念ながら、チベット文化全体の衰退を象徴する現象のように思われる。


私も青海省のゴロクや四川省のデルゲなどケサル伝承の影の深い場所を歩いたことがある。ジェクンドも思い出深い場所であるが、大震災後の復興で町があんなに賑やかになっているとは思わなかった。


十三に行ったのはおそらくは初めてである。滅多に来るところではないので、駅前でお昼を食べて帰った。




 

ある大学教員の日常茶飯 | トラックバック(0)