FC2ブログ
11月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫01月

高貴寺再訪

2017年11月14日

11月14日(火)

埼玉のKさんが堺に来たので、昨日、慧海関連の場所を中心に堺を案内したあと、1年ぶりに高貴寺まで同行した。よく晴れて気持ちのいい1日だった。

高貴寺に着いたのは午後。挨拶のあと、すぐに「字を書きましょう」となった。私は心身共に消耗していたので、大筆を振るう気力はない。断ろうと思ったが、墨すりから始める住職のペースについつい巻き込まれて筆を取った(墨をするなど何十年ぶりだろう?)。案の定、最初の棒一本は途中で息切れした。位地取りが悪かったせいだが、これが今の自分の姿だと納得した。二枚目は観音の六字真言を、三枚目は空性の語をそれぞれチベット文字で書いた。少し気が晴れた。


「奥之院を見にゆきましょう。空性があるかもしれない」

高貴寺の裏山は、秋の台風による土砂崩れで無残な有様だった。巨木が折り重なって倒れて根をさらしており、土砂が下の池近くまで押し寄せている。住職は、「木が倒れて見通しがよくなりました。高野山も見えるかもしれない」と平然としたものであったが、復旧にはたいそうな時間と費用がかかりそうだった。


それでも奥之院は健在だった。御影堂を拝してから、廊下続きの方丈を見せてもらう。

「慈雲尊者が住んでいた部屋です。できれば私もここに住みたい」

私は、まだ若手の部類に入るこの人が、冬場は極寒となるであろうこの部屋で質素を通り越した何もない生活をしている様を想像した。それは悪くない光景だった。江戸の巨人的学僧、慈雲尊者飲光(じうんそんじゃ・おんこう)に対する憧れは私の中にもある。来年は尊者生誕300年だ。


「今度は学生を連れてきますよ」

Kさんを堺東駅まで送って帰途に就いた。








初めてこのブログを読む方へ | トラックバック(0)