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我慢強い年寄り

2017年02月01日

この前の日曜日、駅前のスタバの大テーブルで本を読んでいた時のこと。ななめ向かいに座って、最前からパソコンを開いて何やら熱心に勉強していた若者が、フランス語をつぶやき始めた。スカイプのようなものを使って学習しているのだろう。最初はつぶやき程度だったので、あまり気にしないようにしていたが、彼の声は止むことなく、むしろ段々大きくなってくるではないか。ここは個人の勉強部屋ではない。たまりかねて私は彼に向かって話しかけた。

「もう少し静かにやってくれませんか」

2秒ほど、私は彼の顔を見つめた。

しかし、その目は相変わらずパソコンの画面に注がれたままで、表情には何の変化も現れない。

イヤホンをしていて聞こえなかったのか、それとも故意に無視しているのか。

反応したのは、むしろ回りの人たちだった。何かが始まると思ったのかもしれない。

私はカップの底に残っていたコーヒーを飲み干して、ゆっくり立ち上がった。相手がそういうことなら、こちらが引くしかない。深追いしていいことなど何ひとつないからである。


「シニア世代は傲慢か?」というテーマで若者たちに話を聞く番組を見た。コンビニでバイトをしていて怒られて恐かった、などという証言が出ていた。老人の物言いが、若者たちには時に威圧的に聞こえるらしい。しかしそれを傲慢と表現するのは的外れだ。

私は、「シニア世代は、体力の衰えと共に心の余裕も失われ、我慢が効きにくくなっているのだ」と考えている。


「お年寄りは切れやすいですよ」私より遙かに社会経験豊富なS師はこともなげにこう言った。去年の夏前のことである。実は春のあるイベントで、私はもう少しで当事者になりかけた。詳述は控えるが、たいそう後味の悪い思いをした。

他人事ではない。私も我慢強い年寄りにならなければならないと思う。




ある大学教員の日常茶飯 | トラックバック(0)