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北京秋天

2016年09月12日
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♪見たこともない野を越えて♪

8月27日(土)
 8時半から閉幕式が行われ、シンポジウムはめでたく閉じられた。10時、主催者が用意したバスに乗って北京に向かう。

 2時間ほど経った時だったと思う。Cさんが、「この辺りからが昔の燕ですよ」と教えてくれる。河北の大平原に入ったらしい。燕はむろん戦国の七雄の燕である。 燕といえば、太子丹(たん)、太子丹といえば荊軻(けいか)、荊軻といえば、 「風蕭蕭として易水寒く、壮士一たび去りて復た還らず」(『史記』刺客列伝)の絶唱である。思えば、高校生の私は、こういう悲壮感たっぷりなのが好きだったな。
 陳凱歌(チェン・カイコー)監督の「始皇帝暗殺」の場面が頭にちらついた。私はこの映画が嫌いではない。戦闘シーンにいまひとつ迫力を欠くうらみはあるが、戦闘シーンというものは史劇において人間ドラマを盛り上げるための道具立てにすぎない。なければものたりないが、それだけが売り物ではうすっぺらい。陳監督作品にはつきものの、目をそむけたくなるような残酷シーンもあるけれど、秦王政(始皇帝)を中心とする人間ドラマは結構見応えがあったと記憶する。趙姫を演じたコン・リーもよかったし。ただ政と趙姫の幼なじみコンビが仕組んだ暗殺計画が趙国の滅亡を招くという筋立ては何とかならなかったか、という気はする。趙姫が愚かに見えるのだ。
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*右に行くと周口店。北京原人の遺跡で知られる。

 やがて北京市内に入る。北京の秋空は、梅原龍三郎の絵ほどではないが、青かった。午後2時半、市内の西部でバスを降りる。そこからはまたCさん任せである。その晩は、Cさんの兄弟や知人たちに囲まれて楽しい時間を過ごした。

 
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