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アジャンターにて

2015年04月22日
3月12日(木)
朝100キロあまりの道のりをアジャンターに移動。ここにある大石窟群こそ人類の至宝のひとつだ。
アジャンターに着いてまず訪れたのはビジターセンター。センター内には石窟を実物大で再現したものがいくつも並んでいてなかなか結構であった。
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アジャンターに来たのはただの見学ではなく、このセンターに和歌山県コーナーができた、そのこけら落としに立ち会うためだ。聞けば、東京の和歌山県事務所には去年すでにマハーラーシュトラ州を紹介するコーナーができているという。和歌山県もなかなかやるじゃないか。和歌山コーナーのオープニングセレモニーは、アジャンターの女性村長も出席して、とても盛大なものであった。私にもテープカットの役が回ってきて、少々面はゆかった。

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*文字通りの除幕である。
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*このパネル一枚作ってもらうだけでも、大変だっただろうねえ。

その後、ホールで昨日のBAMUと同様、センター長と私が話をした。テーマは同じだったが、昨日、あまり細かいことをしゃべっても仕方がないということが分かったので、二人とも短くまとめた。近郷近在の名士・有力者が集まったという感じであった。その後、事務所に10本くらい電話が掛かってきて、いずれも好評、今後とも協力関係を進めよという激励だったという。
こういう交流ができるのも、2004年に高野山と熊野が世界遺産に登録されたお陰。世界遺産の波及効果はやはり大きい。
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*ビジターセンター周辺には猿たちが群れている。『ラーマーヤナ』で大活躍するハヌマンラングールのようだ。

以上の行事が済んで、ようやく実物を拝む段になった。石窟群への最後のアクセスはビジターセンターの近くから出るバスによる。こういうパークアンドライド方式は最近よく見かける。私が経験したものを挙げると、アーグラのタージマハル(ホテルではなくて本物)がそうだし、中国の天台山や青海湖の渡り鳥の営巣地でも電気自動車が走っている。環境と文化遺産に配慮している訳だが、これを高野山でやろうとすると、住民の生活が不便になって困るかも知れない。それが「生きた世界遺産」という、他にはなかなかない高野山の特徴でもあり、実情でもある。

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*ワゴラー川が造ったU字型の峡谷の岩壁に30の石窟が並ぶ。すべて仏教のものだ。1819年、虎狩りに来たイギリスの士官によって発見された。
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第1窟。5世紀後半。1500年も前の壁画が美しい。列柱も装飾が見事だ。
アジャンターの呼び物はインド絵画の最高傑作といわれている保存状態のよい壁画群だ。壁画の主題は仏伝やジャータカが多い。古代インドのお坊さんたちは、ブッダの伝記やその前世の物語絵に囲まれて暮らしていたのだ。

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*アジャンターの壁画の中で最も有名なのが、この蓮華手菩薩(第1窟)。法隆寺金堂の壁画にも影響が見られると言われている。

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*第1窟の天井画。植物に混じって、現実には存在しない動物なども描かれている。

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*第17窟の天井画。
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*第26窟の入口。5世紀末。

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*第26窟のストゥーパと列柱。

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*第26窟の涅槃像。インド最大のものと言われている。

あっというまに時間が過ぎて、そろそろ戻りましょう、となった。いや、これからじゃないか、とも思ったが、素直に従う。今回はご挨拶だけで我慢しておく。
この日の宿舎はMTDCのゲストハウス。ちょっとだけビールを飲んで、いい気持ちになって寝た。








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