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モンユル・コリドール

2014年03月09日
午前中、「ジャマイカ」でコーヒーを飲んで眼を醒ましてから、コンビニでマイケル・アリスの本をコピーした。本は線を引いたり、余白にメモを書いたりしながら読みたいのだが、これは大学図書館の本なので、そうするわけにはゆかないのだ。

アリスはブータン仏教の研究で知られるイギリスのチベット学者。もう亡くなったが、アウンサンスーチー女史の夫だった。私は欧米の東洋学者の中ではイタリアのジュゼッペ・トゥッチを最も敬愛している。アリスはトゥッチのような天才肌の人物ではなかったかもしれないが、著作を読んでみると、手堅くて本当にいい学者だと思う。

これとの関連で、このところ毎日のように、グーグルアースでインドのアルナーチャル・プラデーシュ州の西北部を覗いている。専門家の間で「モンユル・コリドール(回廊)」と呼ばれている一帯だ。モンユル・コリドールは北のチベット高原と南のアッサム平原とを直接繋いでいる細長い土地である。

グーグルアースは最近精度が上がっていて、私の力では普通の地図からではとても読み取れないようなことをいろいろ教えてくれる。

例えば、タワン地区は、三方を渓谷に囲まれた、丸く盛り上がった台地で、何やら恐竜の卵のような形をしている。タワンから北の峠を越えて、おそろしく寒々とした高原を北へ北へと進んでゆくと中央チベット南部の拠点ツォナ・ゾンに至る。タワン川に沿って西に下れば、数日で東ブータンの要地タシガンに達する。逆に東に向かい、セラ峠を越えると、ディラン・ゾンがあり、さらに下れば、やがて道は亜熱帯の森林地帯に入る。その先にはアッサムの沃野が開けている。

タワンはまさに交通の要、戦略上の要地なのである。ここにメラ・ラマ・ロドゥー・ギャムツォが要塞のような大僧院を築いた理由もよく分かる気がする。





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