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デューク学会1日目

2013年10月20日
10月4日(金)
いわゆる時差ボケは2日目がきついというけれど、私の場合は着いて2日目の10月3日の夜からだった。外から帰ってちょっと眠ったのはいいが、すぐに目が覚めてしまい、それからは朝まで一睡もできなかった。というわけで、重い頭で会場に向かうはめになった。

キングズドータズ・インの向かい側にはデューク大学のイーストキャンパスが広がっている。このキャンパス内を6,7分歩いたところにバス停があり、イーストキャンパスとウェストキャンパスを結んで学バスが頻繁に走っている。学会の会場はウェストキャンパス内のマクレンドン・タワーというビルの中だった。

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EastとWestを結ぶバスは今回の学会のテーマを象徴しているようでおもしろい。そのテーマはBordering the Borderless: Faces of Modern Buddhism in East Asia(ボーダレスにボーダー(境を接)して-近代東アジア仏教の諸相-)である。

会場はさして広くないホールであった。1年半ぶりでリチャード・ジャフィ先生に会う。ジャフィ先生は開口一番、「私が河口慧海について発表するのは申し訳ないですね」。こちらこそ、釈興然と釈宗演について発表するから、お互い様である。ジャフィ先生の原稿は前もってドロップボックスから取り出して読んだが、慧海の思想と行動を近代東アジア仏教史の中に位置づけようとする意欲的なものだ。

私の発表は午前中の4番目だった。タイトルは"Japanese 'Students in India'of the Meiji era:The Monastic Lives of Shaku Kozen and Shaku Soen in Colonial Ceylon"(明治「インド留学生」-植民地セイロンにおける釈興然と釈宗演の僧院生活-)である。内容は、これまで何回か発表してきたものをこの学会用に20分に圧縮したものだ。
Power Pointで画像を見せながら、用意の原稿を読み上げていったが、途中からどーっと疲れが出て、歯切れが極端に悪くなった。だがどうすることもできない。この手の学会では時間制限は日本よりも厳しいから絶対にオーバーしたくなかったのだが、おそらく2分近く過ぎてしまった。やれやれである。今の体調では英語で20分しゃべり通しはきつい。

それでも何とか終わって席に戻ったら、フランチェスカさんが、声を出さずに口の動きだけでこちらに合図を送っている。明らかに「よかったよ」という意味だと分かって嬉しかった。

その後、午前中の4つの発表をまとめて討議が行われた。ディスカッサントはノースカロライナ大学チャペルヒル校のバーバラ・アンブロス先生である。バーバラさんとは10数年前、ハワイ大学で開かれた真言学会で顔を合わせたことがある。

こういうディスカッションは私の英語力ではきついと思っていたが、案の定、意見や質問がことごとく恐ろしい早口でなかなか理解できない。しかし、ジャフィ先生とバーバラさんの助けで何とか乗り切ることができた。インケンさんがとても理解のある意見を出してくれたのもありがたかった。

その後、ランチタイムになったが、フランチェスカさんを含む4、5人がわざわざ「よかった」「おもしろかった」と言いにきてくれた。

午後は二部構成で3人ずつの発表とディスカッションがあった。最後の発表者は吉永先生でなかなか堂に入ったものであった。明治以降に日本で刊行された英文の仏教雑誌を紹介するもので、まとまった研究のなかったものだ。

この日のディナーは郊外にあるシタールというインド料理店で開かれた。
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