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龍馬の手紙、慧海の手紙

2013年07月26日
宮地佐一郎編『龍馬の手紙』(講談社学術文庫)を手元においてちらちら見ている。

「日本を今一度せんたくいたし申候事ニいたすべくとの神願ニて候」(p.78)

有名なことばである。こういったものを読むかぎり、自由奔放な龍馬像はドラマや小説が作り上げただけのものではないことが分かる。文は人なり。イメージの基盤がしっかりあるのである。

ところでこの本には凡例がない。そのため、メインが龍馬が書いた手紙文であるにもかかわらず、それがどう翻刻され、どんなルールで活字化されたかが分からない。
そこで、D大の図書館で原本の『坂本龍馬全集』(光風社書店)を借り出して、凡例を含む最初の部分をコピーしてきた。

D大は小高い丘の上にある。6年ほど前に北京に行った際に、民族大学のCさんに会った。CさんはD大に留学した経験がある。Cさんが言うには、「D大は日本で一番高いところにある大学です」。

そこで即座にその間違いを正してあげた。

日本の「最高学府」は高野山大学です、D大の8倍は高い、と。

それにしても、この忙しいのに、なんで龍馬などにかまけているかというと、慧海さんの手紙の公表先がある学術雑誌に決まったのである。原稿の締め切りは11月だが、来月からは9月のシンポジウムと10月のアメリカ出張と11月の西蔵学会の準備でめちゃめちゃ忙しくなるので、早いとこ当たりを付けておこうと考えているのである。

慧海さんの手紙は翻刻がほぼ終わっているから、あとは解説をどの位の広さ、深さで書くかの問題である。この間の取り方次第で、中に入るものが全然違ってくる。当たりを付けるのはそういうところで、『龍馬の手紙』のやり方はある程度参考になる。

その関係で宇都宮のU野師から資料を送ってもらった。U野師から資料をもらうのはこれが確か3度目である。ありがたい。さらに宇治の万福寺でも調べものをしようと、T中師に電話すると、万福寺の境内に慧海の歌碑を建てる計画は順調に進んでいるとのこと。何十年か前からの心願だったと聞いてちょっと感動した。落成式は今年の秋から冬にかけてのことだろう。出席して、ついでに普茶(ふちゃ)料理で一杯やりたいところだが(タ・タイチョーも行くだろうし)、本当に出席できるかどうかは分からない。

さて、週末です。さすがに羽を伸ばしたい。「風立ちぬ」でも見にゆこうかな。





ある大学教員の日常茶飯