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密教談話会:ルチア・ドルチェ先生を囲んで

2013年03月19日
3月11日(月)
東日本大震災から丸2年のこの日、御山は朝から晴れ上がっていた。放射冷却現象で空気はとても冷たい。

午前中をフリーにしていて助かった。午前10時から通信制大学院生の研究発表会があったのだ。ドルチェ・ウィークですっかり意識から抜け落ちていた。発表者諸氏には悪かったが、午後の密教談話会の準備のため、私は会場を出たり入ったりした。

天野、については明日見送りがてら寄ればいいことに気がついた。明日も天気はよさそうだ。

談話会のコメンテーターの一人である日野西眞定先生が早めに来られたので、天野の丹生都比売神社に紹介を頼むと、何と先生がいっしょに行ってくださるという。御年90歳の先生に負担をかけるのは恐縮だが、民俗学の権威である日野西先生に案内していただければ、これ以上のことはない。しかも、木下さんも、日野西先生の「君もどうかね」の一言で、同行してくれることになった。これは心強い。

午後2時から金堂で震災の犠牲者のための法要が一山を挙げて行われた。私もちょっと拝みに行ったが、すぐに引き返し、午後2時46分は自分の研究室迎えた。

さて、「密教談話会:ルチア・ドルチェ先生を囲んで」は、法要への出席で遅れた人を待って、3時15分から始まった。題して「中世日本の密教」。ドルチェさんの専門中の専門である。
この日のために私が頼んだコメンテーターは次の方々。

日野西眞定(民俗学)
山陰加春夫(日本史、高野山史)
乾 仁志(密教思想)
佐藤隆彦(事相=密教儀礼)

また、用意したトピックは、
1.日本中世の宗教信仰の特色とその意義
2.両部不二思想の中世的展開
3.中世の異形の神仏の信仰と儀礼
4.中世高野山の信仰、儀礼、民俗

いずれも大きな問題で、しかもお互いに重なり合っているが、中世の密教をテーマにしたこのような会が高野山大学で開かれるのは、おそらくこれが初めてなので、間口を思い切り広くとって、どこからでも自由に発言できるように、と考えたのである。

最初にドルチェさんに、自己紹介を兼ねて、SOASの日本宗教研究センターの活動とドルチェさん自身の研究と興味について話してもらった。それから、コメンテーターの諸氏に順番に話を振って、コメントをもらい、ドルチェさんとの間で質疑応答してもらった。


詳細は省くが、議論はかなり盛り上がって、なかなかいい会になった。これが次につながってもっとテーマを絞ったシンポジウムなり発表会なりができれば、最高である。

また出席者が一様にドルチェさんの日本語の達者さと話のおもしろさと学識の深さに感銘を受けた様子が伝わってきて、コーディネーターとしてはとてもうれしかった。

その後夕方から大円院で懇親会が開かれた。ドルチェさんは明日御山を下りるので、これは送別の宴でもあった。



高野山大学の力