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11月の所感

2018年11月30日

11月30日(金)

今月は実にいろいろなことがあった。

それで得た私の結論を茨木のり子の詩に託せば、「だからきめた できれば長生きすることに」。長生きして初めて開ける風光もあるだろう。人として生まれたからには、そこまで確かめてから去りたいものだ。

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堺・経典をめぐる文化史

2018年11月18日

11月18日(日)

土曜日、9時半に日産のディーラーに車を預けに行く。前日役所からの帰りにまたエンジン異常のサインが出たためだ。見積もりは安くなかったが、エンジンに問題ありでは放っておくことができない。

家まで送ってもらい、あたらためて堺市博物館に出かけた。この日から始まった企画展「堺・経典をめぐる文化史」を観るためだ。

この企画展は第I部が「古写経が語る世界」、第Ⅱ部が「経典から見る堺ゆかりの傑僧」で、私は第Ⅱ部の3「河口慧海ー釈迦の真の教えを求めてチベットを目指した僧-」の展示に力を貸している。このコーナーには、東京の東洋文庫蔵の梵文『法華経』貝葉写本(11世紀)、同じく東洋文庫蔵の写本チベット大蔵経カンギュルの通帙第1、東京国立博物館所蔵の河口慧海資料など滅多に見ることのできないものを選んであるので、興味のある人は是非見に行ってほしい。

しかし、展示全体の目玉となると、やはり堺・法道寺蔵の『雑阿含経』巻第36ということになる。いつの頃からかこの寺に伝わったこの古写経が、実は光明皇后願の5月11日経(743年書写)に同定されるという驚きの結果が、同じ5月11日経である金剛峯寺所蔵・奈良博寄託本および東博所蔵本との比較において明らかにされている。こんな貴重資料がいまだに発見される。日本はすごい国である。

今回は博物館ががんばって図録を作ったので、こちらの方もお忘れなく。私はこの図録に「明治の三蔵法師・河口慧海が求めたもの」を寄稿している。


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誕生

2018年11月07日

昨日の夜から、僕は「お祖父さん」と呼ばれる身になった。


この縁起の世界において彼を誕生させた一切のものごとに感謝。


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ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ~

2018年11月06日

11月4日(日)

10時半に京都の龍谷大学ミュージアムに行った。さる学会の会計監査である。私は鑑査だけだから楽だが、会計担当者は大変である。もちろんすべてボランティア。大規模学会はさておき、たいていの学会の事務はこういうボランティアの力で運営されている。

鑑査は1時間ほどで終え、ついでに開催中の「水木しげるの魂の漫画展」を観た。商売柄、水木しげるがどのような工程で漫画を描いていたかに注意が行った。


水木しげるは、かなり小さい頃から読んでいた。けれども、いまひとつ夢中にはなれなかった。それは何故だったのか。今考えれば、水木しげるが創造する努力も我慢も競争も進歩もない世界に違和感を感じていたのだと思う。今となれば、そこが魅力なのだが。

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11月5日(月)

高野山学体験講座で堺を案内した。題して「河口慧海の故郷、堺を歩く」。参加者は20名ほどだった。

南海本線の七道駅前に集合して1時に出発し、生家跡、清学院、山口家住宅、覚応寺、北の御坊、錦西小学校、伝統産業会館、利休屋敷跡と回り、最後は「利晶の杜」の学習室でちょっとしゃべって締め括った。

3時間に5キロメートルほど歩いただろうか。天気がよすぎて疲れた。

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世界宗教文化高層論壇

2018年11月02日

10月29日(月)

早起きして熱いシャワーを浴び、朝食後に身支度を調えた。まだ頭がボーッとしているので、目覚ましガムを勢いよく噛んだが、これが間違いの元であった。奥歯の詰め物がぽろりと取れた。私は海外に出るたびに何か一つは失敗をやらかすが、今回はこれであった。さいさきの悪いこと夥しいが、構っている暇はない。開幕式は9時からである。こういう時には早く行動して現場を確認しておくにかぎる。


8時20分に会場となる友誼宮の「聚賢庁」という大広間に行くと、当然のことながらすでに大勢の人が詰めかけている。ビデオカメラが何台もスタンバイしている。舞台上には大スクリーンが設えてある。今年6月の西安、遡れば、一昨年8月の五台山会議もこんな調子だったから、特に驚くことではない。ただ、この開幕式で私にはひとつの役目があった。

出発の前の晩にCさん経由でJKさんから連絡が来た。開幕式で外国からの出席者を代表して挨拶せよというのである。ただし時間は3分間である。こんな形でJKさんは私の顔を立ててくれようとしていると感じ、喜んで引き受けた。翌朝早起きして文章を練り、それをCさんに送ると、さすがなもので、あっと言う間に中国語に翻訳してくれた。あとはこれをJKさんに渡すだけである。


私の挨拶は二番目で、滞りなく済んだ。その中で私は、唐に留学した弘法大師と恵果和尚との出会いの故事を引き、ここに見られる求法と弘法への情熱、慈愛・寛容・公正の精神はこの検討会の基調になりうると述べた。


発表も二番目だった。私が日本語の原稿を、Cさんがその中国語訳を1段落ずつ交互に読んだ。持ち時間20分のはずが、時間調整のために直前に16分に短縮されたため、かなり早口で読んだにもかかわらず、多少時間をオーバーしてしまったが、許容範囲には収まったと思う。題目は「以密教為中心的日中文化交流 回顧与展望」である。この発表で私は、弘法大師を始めとする日本人留学僧たちの入唐求法によって日本にもたらされ、真言密教と天台の密教として発展した密教が、1000年余りの時を経て、大正時代から日本人の阿闍梨たちと中国人留日学密僧たちとの協力によって、中国に還流し始めて今日に至ることを報告し、その文明史的意義を述べた。開幕式での挨拶もこの内容にマッチさせたものである。


昼食をはさんで検討会は夕方まで続いた。閉会式の後は懇親の夕べである。アトラクションが豪華で、プロの歌手や芸人が多数出演し、大いに楽しませてもらった。


10月30日(火)

朝、Cさんと近くのスーパーマーケットを覗きに行った。友誼賓館は民族大学に近く、北京大学、精華大学も遠くない。この一帯は文教地区である。マクドナルドでコーヒーを飲み、有名な漢方薬店の同仁堂で冷え性の薬を買って賓館に戻った。10時半、予約のタクシーで空港に向かう。渋滞にはあまり引っかからずに空港に着いたが、チェックイン、出国審査、セキュリティチェックを受けると、ボーディングタイムまでは40分しかない。文字通り走り回ってお土産を探す。関空に安着したのは午後6時近くであった。Cさんには今回もまたすっかり御世話になった。




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素食、素食

2018年11月01日


長城から北京市街に戻った私たちは、素食の店で昼ご飯を食べた。粗食ではない。素食、つまり肉を使わないベジタリアン料理、精進料理である。これはSさんの招待だった。Sさんはキャリア10年未満の仏教徒である。数年前から禁酒、禁食肉を実践している。一席設けてくれたのは、北京でも有名な素食の店「花開素食」。最近北京ではこういう店が増えているのだという。


料理は実に結構であったし、話もおもしろかった。Sさんは実業家で手広く商売をしているらしい。仏教徒になる前は、仕事や友人関係で飲酒の機会が多かったが、今はすっかり止めている。そして何よりよかったのは、仏教徒になって悩みが消えたということである。家族も皆仏教徒になって毎朝勤行しているという。この熱心さは、自らの意思で信仰を選んだ人ならではのことだと思う。

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*見た目きれいで、味もよい。器もすてきだ。


食後、賓館に戻って夕方まで過ごし、それから別の招待に応じて、タクシーで北京の高級住宅街に向かった。驚いたことに、そこは一昨年御世話になったモンゴル人実業家の住む高級集合住宅であった。そこで仏像のコレクションを拝見してから、招待主であるCNさんの運転する車で予約の店「葉葉菩提」に向かった。この店も素食専門で、北京では相当な有名店と聞いた。


CNさんは若くして成功した女性実業家である。日本ではちょっと見ないようなすごい車に乗っているが、これは誕生日に自分へのご褒美に買ったとのこと。この日の彼女の服と帽子の色が、車体の色にコーディネートされていて、とてもお洒落であった。CNさんも、それから遅れてきた友だちのDさん(彼女もまたいくつかの店を経営している)も、Sさん同様の新しい仏教徒である。素食をいただきながら、密教の歴史についていろいろ質問を受けたが、彼女たちの熱心さ、まじめさ、賢さには感心した。1時間半ほどの会食中、話題は専ら仏教のことであった。

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*最初に出てきたお茶とお菓子。なかなかおつなものです。

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*メインはこれ。仏跳牆。修行中のお坊さんもお寺のかきねを飛び越えて食べに来る、というもの。


昼食、夕食ともに素食で、身体の中がきれいになった気がした。10時前に宿舎に戻り、明日は足が痛いかもしれないと思いながら寝に就いた。

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