FC2ブログ
05月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫07月

消えずの霊火

2017年06月14日

ゴルドン夫人は、その著『弘法大師と景教』の中に次のように書いている。

「予は1日彼の快絶奇絶なる森林を過ぎ、絶壁を攀ぢ、山の頂上に達して一の巨大なる聖火を見たり。こは実に予が世界周遊中に於て見たる最も奇異なるものなりき」


宮島ロープウェイが開業したのは1959年である。それまでは徒歩で登るしかなかった。夫人が登ったのは、大聖院そばからの登山道、あるいは、滞在先のみかどホテル(のちの宮島ホテル)のあった大元公園からのそれであったと思われる。60歳に近く、かなり肥満していたはずの夫人にとっては、つらい登山であったと察せられる。


夫人を驚かせた「巨大な聖火」とは、霊火堂の「消えずの霊火」である。1200年の昔、この地で修行された弘法大師が点じた護摩の火が今日まで絶えることなく燃え続けている。この火には大茶釜がかけてあり、その湯は万病に効くと信じられている。私も一杯頂いた。

DSC_0787_convert_20170614085107.jpg

*霊火堂。内部の写真は敢えて掲げない。


そこからさらに登り、三鬼神を祀る三鬼堂などを経て、

DSC_0731_convert_20170614190303.jpg

「くぐり岩」をくぐり、ついには頂上へ至る。

DSC_0748_convert_20170621070910.jpg


弥山の頂上は巨大な磐座(いわくら)で、神々が降臨するのにまことに相応しい場であった。標高はわずか535メートルだが、いやはや、登りでのある山である。登山道が今ほど整っていなかったことを考えれば、ゴルドンの「絶壁を攀ぢ」という表現も決して大袈裟ではない。


残念ながら、この日は眺望がよくなかった。しかし、霊火を見たのと、それからゴルドンが発見したという「ダブルアックス」が何であるかも見当をつけることができて、私は満足して下山にとりかかったが、大変なのはそれからだった。





フィールドワークの記録 | トラックバック(0)

弥山に登る

2017年06月14日

宮島の山中でいきなりトレッキングした後遺症でしばらく足の痛みに苦しんだ。


6月11日(日)

朝食の後で散歩した。潮が満ちて、大鳥居はお馴染みの姿に戻っている。

DSC_0654_convert_20170614084704.jpg

DSC_0655_convert_20170614083007.jpg

秀吉が建てた千畳閣を外からながめてから町に下りると、伝統的な町屋が立ちならぶ、その名も町屋通りに出た。土産物屋や食堂が密集する表参道とは対照的なたたずまいで、ゴルドンらが行き来した100年以前の雰囲気をわずかながら留めていると感じられた。


8時40分、ホテルに迎えにきた無料送迎バスでロープウェイの駅に向かう。駅は紅葉谷公園の奥にあった。空中から眺めると、山々は原生林と呼んで差し支えないような深い森に覆われ、処々に奇岩が顔を出している。

DSC_0679_convert_20170614084911.jpg


ロープウェイを二つ乗り継いで、獅子岩駅に着くと、そこからは上り下りのきつい山道を徒歩である。

DSC_0693_convert_20170614091406.jpg

*途中に見られる「天然記念物 濔山原始林」の標柱と表札。

表札には、ドイツの著名な植物学者アドルフ・エングラー(1844―1930)が大正2年にこの地を訪れ、貴重な植物に感激して、「できるならば一生ここに住んでここで死にたい」と述べたということが書いてある。

フィールドワークの記録 | トラックバック(0)
 | HOME |