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天台山国清寺

2013年07月19日
先週から今週にかけて、大事な物を立て続けに三つもなくした。そのうちの二つは返ってきたが、ひとつは戻らない。これは諦めるしかない。財布をなくさないだけ、まだましだと思うことにしよう。

さて、明けて6月30日、大会参加者の何人かは帰途についたが、大部分は残り、大型バスで天台山に見学に向かった。途中かなりの吹き降りになったが、現地に着くと雨が上がり、傘なしに参詣することができた。ここでも観光開発が進んでいるのだろう。天台の町は宿泊所の建設ラッシュであった。しかし、国清寺に近づくと、さすがに凛とした空気が感じられる。

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*隋代の甎塔。長い歴史を感じさせる。この写真、よく見ると、塔が浮き出て見える。我ながら、好(ハオ)!

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*国清寺への参道。緑がしたたるようで、なかなかの風情である。

天台山国清寺は天台教学の大成者、智顗(ちぎ、538-597)ゆかりの名刹である。日本天台宗の開祖、伝教大師最澄がここで学ぶなど、わが国の仏教とも深いつながりを持っている。

前に書いたように、私のこの寺での目当ては梵文貝葉写本である。確かにそれはこの寺の陳列室のガラスケースの中に展示されていた。1葉の片面のみを観ただけに過ぎないが、初見としてはかなり満足できた。昔、西域や南海を経由して中国に大量にもたらされたはずの梵語仏典がほとんど隠滅していることを考えれば、これは貴重きわまりない遺品である。帰国後の7月12日、高野山大学で開かれた密教研究会の学術大会で、今回の実見で得たデータに基づく報告を行った。

お昼は天台山の駐車場前のレストランで取った。これがこの学会の最後の会食となった。

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*高速道路沿いの風景。田圃に農民が出ている。その向こうには三階建ての家並み。「あれは農民の宿舎ですか」と思わずつぶやく。このネタがピンとくるのは52歳以上です。

紹興に戻る途中で普浄寺という山上のお寺に立ち寄った。何でも仏舎利が奉安されているという。参道には信者たちが並んで私たちを迎えてくれた。彼らの中には、観音の六字真言「オンマニペメフーン」を歌うように唱えている人々もいる。どこかで聞いたような節回しだと思ったら、それはエリック・バリの映画「キャラバン」で使われたものだった。ひょんなところで、宗教のグローバル化を実感することに。

山上のお堂で五体投地で三礼してから仏舎利を拝観。ありがたや・・・

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*仏舎利を護る六牙の白象の頭リボンがきもかわいい。

龍華寺に戻り、呂先生を始めとするスタッフのみなさんに別れを告げて、午後6時半頃、上海まで送ってくれる高級乗用車二台に分乗する。300キロ近い路をひた走り、ホテルに到着した時には、10時を回っていた。食事をしにタクシーで街に出たが、実はこの日の朝から、頬から首筋にかけて赤く腫れ始めていた。帰国後皮膚科に駆け込んで、何かにかぶれたことが分かったが、そのせいで「魔都上海」の夜もたいして楽しめなかった。翌日の昼、浦東空港からのフライトで無事関空に戻った。

(この話題終わり)
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