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高山寺蔵 南方熊楠書翰 土宜法龍宛1893-1922

2010年03月17日
高山寺蔵 南方熊楠書翰
奥山直司・雲藤等・神田英昭編『高山寺蔵 南方熊楠書翰 土宜法龍宛1893-1922』藤原書店
8800円

お昼に見本が二部届いた。やっとこの日が来てくれたという感じ。

2004年10月、京都の栂尾山高山寺から熊楠が土宜法龍に宛てた手紙が大量に発見されて大きな話題になった。この発見がことさら注目されたのは、熊楠は、彼の尊敬するライプニッツらの例にならって、書翰を自己の思想の「あずけどころ」としていた節があり、中でも法龍宛書翰は、その思想性の高さから、第一級の価値を与えられてきたからである。
 熊楠の思想の解明には、法龍宛書翰の分析が欠かせない。のみならず法龍が熊楠に送った書翰も含めて、二人の手紙による交流の軌跡をトータルに把握する必要がある。これが熊楠の思想に関心を持つ者の共通認識であると言ってよい。高山寺新資料発見のニュースが大きな驚きと期待感を持って迎えられたのはこのような理由による。
 その出現から早くも5年半。その間、多くの研究者が書翰の翻刻に携わり、熊楠の読みにくい文字、難解な文章と格闘し続けてきた。その膨大な努力の蓄積が今、最後にバトンを渡された私たちの手で、ついに形になった。
 この本に収録された若き日の熊楠の手紙は、生き生きとした言葉に満ちている。本書の読者には、こうした熊楠の語りと戯れ、自由に読み解いてもらいたい。そしてそれぞれ好きなようにこの天才的人物を論じてもらいたい。それがたまたま編者の一人となったものの願いである。


藤原書店の刈屋琢さんがとてもいい本に仕上げてくれた。一緒に仕事ができたことに感謝。

深い満足感に浸りつつ、次に向かうことにする。



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