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タワンへの旅(5)

2009年10月10日
キムナシュ・ゴンパは12世紀にカルマパ・ランチュンドルジェによって開かれたと伝えられている。タワン地区の古刹の一つと言える。3月に来たときに、ジャン対岸の斜面にゴンパが二つあることに気づいていたが、今回聞いてみると、そのうちの一つがキムナシュであった。Arunachal 2009.9 470
*正面の山のほぼ真ん中に縦に崩れているところがありますね。その右斜め上の白い点のようなものがキムナシュです。

しかし、そこまでは急斜面を登って1時間だという。私は普段運動らしいことはまったくしていない。ジャンは峠からだいぶ下ったとはいえ、標高は3000m近くあるだろう。そこでいきなりトレッキング往復2時間はかなりきつい。無理は禁物と思ったが、これを逃せば次の機会があるかどうか分からないと思い直して、行くことにした。

谷川にかかる橋のたもとから山に入るが、最初から梯子を登るのには驚いた。そのあとも文字通り胸突き八丁の急斜面を登る。途中、マルモンというモンパ族の村を通り、また急な登りとなる。
同行した若いカナックも音を上げはじめる。
「サー、私たちはかれこれ40分も登ってますが、ゴンパはまったく見えませんが」
「カナック、日本人はどんなにつらくとも決してつらいとは口にしないのだ。それはインド人も同じではないかな」
まったくのでまかせを言いながらひたすら登りつづける。Arunachal 2009.9 501
*キムナシュ側の斜面からジャンの村を見る。早くしないと日が暮れちまう・・・

きっかり1時間で、ゴンパに着いた。入り口にクンニェル(ゴンパ管理人)の家があるが誰もいない。本堂には鍵が掛かっている。仕方がないので、奉納された石版などを写真に撮って戻ることにした。実はこの石版が重要なのである。堂内は見られなかったが、かなりの満足感に浸りながら帰路についた。
Arunachal 2009.9 507
*キムナシュの本堂。
Arunachal 2009.9 524
*見たとおり、建物自体は新しい。中の仏像、仏画も推して知るべしである。シッキムからこっち、湿潤な気候のために古い建物は保たないのである。この点では、500年以上前の壁画が残るヒマラヤ西部とは事情が違っている。

下りの方が怪我をしやすいので、細心の注意を払う。タイフーンがくれた五本指の靴下が役だった。靴底を通して足の指が岩をグリップする感覚である。山道はこれに限る。

ジャンで時間をとったので、タワンに着いたのは6時40分だった。最初、グループが定宿にしているガウリチェンに行く。ところが部屋代が1泊1200ルピーだと言う。3月に来たときには、同じような部屋に800で泊まり、それでも高いと思ったくらいだから、はいさようで、とは言えない。もっとまけろ、というと、いきなり200引いて1000でどうだという。心が動いたが、あとあとのことも考えて、そんな高いなら結構だ、ということにした。次にカナックが案内したのは、タワンビューである。ここは1泊700。部屋はガウリチェンに比べてお粗末だが、ベッドとバスルームがあるだけでまずは十分である。今更動くのも面倒なので、ここに滞在することに決めた。

フィールドワークの記録
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